「おい、南戸。これ以上若の前で他の女子といちゃつくな」
「どうしてです?」
男が全く分からないといった感じで聞く
「お前ほどの男が分からんわけでもあるまい。若はお前が好きだ」
「知ってますよそんなこと」
男は当然といった感じで口を開く
「なっ、おま・・・」
「だって不公平じゃないですか。俺だけが苦しむなんて」
「お前には忠義が・・」
そこまで言ってそれ以上言うのをやめた
この男が若に手を出さないのは、若が男でいたいと望んだから
それでもこの男が若の近くいたいと望んだのはこの男が若を愛してるから
「俺は若の嫉妬でしか若の愛を感じられないのです」
そういって悲しそうに笑って出て行った男の後姿を見ながら東条は
若を男として育てることを止められなかった自分を思い出し
胸が痛んだ