永遠の敬愛

市丸隊長がいなくなって一ヶ月がたった

ほぼすべての業務をやっていた僕は、隊長がいなくなっても特に苦労もなかった
むしろ今は三席が手伝ってくれるので、昔より早い気がする


以前からやる気のない、ぶらりといなくなる隊長だったが市丸隊長が仕事を僕に押し付けることが多くなったのは、ここからいなくなる半年前くらいからだった気がする。。
それ以降、僕の書類整理能力が上がったのは言うまでもない。
でも、なぜか僕が処理した提出期限の書類は間違ったところが全て直されてされて僕の机の上に置かれていた


そして日が流れ、朽木さんがいなくなった頃には僕の業務能力は他の隊長クラスと遜色ないレベルになっていた。
いつものように隊の失態の処理をてきぱきとこなしていると後ろから隊長が
「たいしたもんやな〜イズルは、もう僕がいなくなっても大丈夫やね」
といかにも感心したようにいった

僕はいつものように
「そんなこといってまたサボる気ですか?」
そういうと隊長は

「あら、心も読めるようになったん?イズル」

と子供のように笑っていった
今思うとそれが、僕に対する別れの挨拶だったのかもしれない


誰よりも近くで見ていたはずなのに
いなくなって初めて、隊長の僕に対する思いやりが明らかになった。
そのたびに僕は思うんだ
あぁ、この人は本当に優しさを隠すのがうまい人だと。。。
今思うと本当にすごい人だと身にしみて分かる

だから僕は思うんだ、
あなたの下で働けてよかったと。。。