嫉妬
「しっかし、お前変わんねえな〜」
「貴様は随分不抜けていたようだがな。」
「ウルセー!!」
交わされる会話に、どんどん機嫌が悪くなるのが分かる。
黒崎とルキアはオレのそんな様子に気付く訳もなく、口喧嘩のようなじゃれあいのようなやりとりを続けている。
「……くそっ」
誰にも聞こえないぐらい小さな声で呟いた
人間界に行く事が決まったとき、真っ先に名乗り出たのはルキアだった。
上もそれを認めた。理由は簡単、黒崎をよく知っているから。
そして俺は監督としてついてくる羽目になった。
あいつと会って笑顔でいるルキアを見るのは正直辛かった
「隊長〜?何時もより眉間の皺二倍くらい増えてますよ?」
「五月蝿えよ」
さっきまで向こうで騒いでいた松本が、面白いものでも見つけたかのように嬉々として近付いてきた。
オレの先程までの視線の先を追っていって、なにがあるか分かると
「ルキアちゃんですね。隊長、昔の女に妬いてるんですか〜〜〜?」
にやにや笑いながらいった
「…別に」
こいつはオレが不覚にもルキアを好きになった事をを知らない。
だから俺がルキアに気があると思わせてイチゴとレンジをからかおうと悪知恵を働かせている
「隊長、こういう時にただ見てちゃ駄目ですよ!ちゃんとオレのものだってアピールしないと!」
わざと恋次と一護に聞こえるように大声で言った
案の定レンジ達が何事かとこっちを向いた
すると松本は大声でルキアに叫んだ。
「ルキアちゃ〜ん!隊長がヤキモチ妬いてるわよ〜!」
「おっ、おい!馬鹿止めろ!!」
俺は松本にあわせて声を張り上げた
案の定その場にいた皆が俺を見た
オレは立ち上がってルキアのほうに歩を進めた
「…おい、朽木ちょっといいか」
「なんです?日番谷隊長」
「いいから来いって」
ぐぃとルキアを引っ張っていこうする俺を、恋次と一護が驚いて見ていた
「はいはい、アンタ達はここに居るのよ〜」
当然策がうまくいったと思ってる松本はご満悦の様子で俺にウィンクを送る
「朽木、行くぞ」
「あ、はいっ」
思わず飛び出そうとした二人を松本がぐいっと掴んで引き寄せているうちに、オレはルキアを連れてその場を離れた。
「なんですか?」
「お前が他の奴らと話しているのが気に入らなかっただけだよ。」
「分かってますよ。だからわざと楽しそうに喋ってたんじゃないですか」
「はっ?」
呆気に取られていた俺にルキアはこういった
「ほんとにルキアのことスキなら、あそこで割って入るかなーと思って」
そういいながら身を寄せてきたルキアを、反射的に抱き締めた。
どうやらルキアは松本と同じで人をおちょくるのが好きらしい・・当然レンジとイチゴの思いにもきづいてそうだ
「全て計算どうりかよ」
「いいえ、私の予定だとあそこで隊長がみんなの前でキスしてくれる予定でした」
「全くお前にはかなわねーよ」
笑ってるルキアの口をふさぐようにキスをした