大切な人の護り方


いつもぶらりといなくなる市丸隊長がいったいどこに行っているのか気になり、僕はつけてみることにした。

一日目は「トイレ行ってくるわぁ」、というとそのままぶらりと出て行った。
僕は、ばれないように鬼道で霊圧をふさいで後に続いた。

まず隊長はいろんな隊の別嬪さんと言われる女性たちに声をかけ始め、一通り声をかけたのか満足して
今度は、隊長やら副隊長に絡みに行った。
そしてそれにも飽きたのか寝そべって昼寝を、始めた。
まさかここまで酷いとは、と半ば呆れながら隊室に戻ると、一時間後に何もなかったかのように帰ってきた。

二日目も三日目も、そんな感じで過ぎていった。


そろそろ隊の書類も溜まってきたので今日で最後にしようと思っていたが、四日目は違った

なんと地獄蝶を使い現世に行ってしまったのだ。
行こうか迷ったが、ここまできたらと思い
僕も急いで地獄蝶の手配をし、隊長の霊圧をたどった。


現世で隊長を探していると10番隊の隊員達が歩いているのが目に入った
その中にひときわ小さな影があった


朽木女史だ。


もしかして隊長は彼女に会いに!?
どこまで自由奔放なんだ。半ば呆れ気味に眺めていると


ものすごい爆音とともに3体の中虚が、かれら隊員たちの前に現れ
それとほぼ同時に二人の隊員が宙を舞った

僕は思わず飛び出そうと思ったが、隊長にばれる怖さと、隊長が助けるだろうという安心感で飛び出さなかった。

その後の攻防で2体は倒せたものの
残り1体を傷だらけの三人では倒せる状態ではなかった。
朽木女史の前の二人をなぎ払い、残りは彼女一人なった

僕は市丸隊長がヒーローのように出てくると思っていたが出てくる気配がなかったので
咄嗟に飛び出そうとした

そのとき彼女はぼろぼろの体で“ソウカツイ”と気道を放った。
ほぼ同時に刀身が雷鳴の速さで現れ、虚の頭を貫くギリギリでとまった。
もちろん彼女が気づかない死角から


その瞬間ホウロは朽木女史が倒したように消滅した
僕があっけにとられていると、後ろから声が聞こえた
「かえるで、イズル」

さっき出ようとしたときの霊圧でばれたんだ。そう思いすぐに謝った
「た、隊長!!。。。申し訳ありません」

「ええよ、ええよ。」
そういって笑った

「いいのですか?このままほっておいて」
彼女と彼女の隊員たちをちらりと見た僕に。

「もうすぐ救援部隊がつくやろ」
と隊長はいった

「もしかして朽木女史が任務の時は毎回?」

「そんなわけないやん。僕だってそこまで暇じゃないよ
今日のルキアちゃんの任務が危険そうだったから、散歩がてらについてきたんよ」

うそつけ、そうとう暇だろ!と心の中で突っ込んだ。それと同時にある疑問が僕の中でこみ上げ、口から出た
「でもなぜあんな助けかたを?」
朽木女史が隊長を嫌うのも少しは直るかもしれないのに


すると隊長は笑っていった
「ルキアちゃんプライド高いから。僕に助けられるの、いややろ」


あぁ、

あなたはたとえ愛する人に忌み嫌われたとしても

護りたい人をそうやって護るんですね。



そう思っていると彼は意外な言葉を放った
「それにイズル四日前から仕事溜まってるやろ、早く終わらせんと」
そういうとまた笑った

「い、いつからきづいて?」

「トイレに行ったときから」
鬼道で完璧に消したはずなのに
何考えてるのか分からない人だけど、やっぱり凄い人だ。そう思った